with the beatlele: 11.02. Yer Blues (202 J/E 27/213)

2009/06/20

11.02. Yer Blues (202 J/E 27/213)

『それでも俺がまだ生きてる理由は ガール おまえが知ってるはずだ』

6月21日は父の日だ。
僕自身は父親ではないが(自然にまかせた結果だ)、幸せなことに僕と妻の父親は元気で(両母親もだが)、結婚以来毎年何がしかを送って元気でいることを祝っている。

特に僕の父親は元気だ。趣味が多い。

まずゴルフ。
50も過ぎてから始めたはずだが僕より上手い。運動神経が優れているのだ。農家の3男坊であったオヤジ。子供の頃には裸馬(所謂鞍はなし)にものれるほどだったらしい。僕が子供の頃によくキャッチボールに付き合ってくれたがコントロールは非常によかったのを覚えている。僕は右にいったり左にいったりで今一だった。その運動神経は姉(水泳)と弟(野球)には遺伝した。(僕にもいくらかは入っているので足とかは速いんだけど、母親の遺伝子が多めに入ったのか鈍いところも多い。)特に弟は大学野球で日本一になったチームの”控え”のセンターだった。(甲子園組に勝てる程ではなかったが、日本一のお祝いで台湾遠征した時にはサイクル・ヒットを打って新聞にのったとほざいていた。)

続いてカメラ。
撮りたいものがあると朝早かろうが夜遅かろうが出かけて行ってしまう。カワセミの写真やら花火の写真やら実家に帰ると見せられるが確かにきれいだ。(量が多くて途中で飽きてしまうが。狭い地域に配られる広報誌のようなものに採用されことはあるらしい。)

さらに竹細工。
これがすごい。竹ひごから自分で作ってしまう。(父の親戚に竹林を持っているうちがあって竹はいくらでもタダで手に入る。)その竹ひごなどから鳥かごやら五重塔やらを作ってしまう。欲しいという人がいるのでどんどんあげてしまい実家にはほとんど残っていない。(僕も鳥が入っていない鳥かごをもらってもっている。使ってないが・・・。)

かように多趣味なオヤジだがずっとそうだった訳ではない。
僕らが就職して一人前になるまでは趣味に関することなんて何もできなかったはずだ。(独身時代にはカメラやそれなりのおしゃれを楽しんでいたらしい。コートはなんと給料の3ヵ月分だったと。結婚してそれもできなくなったとのことだが。そのコートを僕はもらって一時期着ていた。まさに往年のオーバー・コートって感じで重いのなんのって。2年程で使わなくなったが。 )
そもそもオヤジには学歴がなく人がいいので社会人としては相当苦労をしたはずだ。(会社ではかわいがって我家にも連れてきたことがある大学出の後輩に先を越されたり。)当然高給が得られたはずもなく・・・・。そんななのに僕は東京の私立の理系の大学に行ったもんだから本当に全然遊べなかったはずだ。
でも僕にグチや文句を言ったことはない。逆に応援してくれていた。父親だ。感激して涙が出る。

だから今多趣味で遊んでいるオヤジをみるとうれしくなってホッとする。僕の肩にずっしりとのっていたものが少しずつなくなっていくような感じがする。
一方、自分が父親になっていないことは人間としてやるべきことをやってなくて、っていうか自然に生きるものとして成体(成熟した生物体)になれていない気がしている。(人口減少には貢献しているから地球を救うちーーーさい一助だと思って納得はしているが。)

『お袋は空から生まれ
親父は大地から生まれたが
俺は宇宙から生まれた
それがどんなに”大事”なことかわかるだろう
寂しくって死にたくなる
それでも俺がまだ生きてる理由は ガール おまえが知ってるはずだ』

("worth" を"大事"って訳しているけど”どんなことに相当するのか”、”どんな意味があるか”ってことで"大事"(大切なこと)だとちょっと雰囲気が出ていないような・・・。"earth"と韻を踏むために"worth"を使っただけで。あるいはジョンぽく皮肉かな。)

ジョン・レノンは父親や母親と一緒に暮らしてはいない。だから感覚的には自分は親なしで『宇宙から生まれた』と認識し、それは自分にとって非常に”重たい”ことで、それを考えると『寂しくって死にたくなる』と言っているんだろう。そして今死なずに生きようとしている理由は自分が愛し、自分を愛してくれる人がいることだけなんだと。

それを考えると僕なんか幸せの極み。僕は僕の父親と母親から生まれ、子供時代は一緒に暮らし、今は妻もいるから生きている理由はたくさんある。
今こうして生きていることに対して、父の日程度のお礼では足りないが感謝の気持ちとして送りたい。

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