with the beatlele: 01.04. *Chains (029 GP/Bb 4/213)

2009/05/05

01.04. *Chains (029 GP/Bb 4/213)

君はすてきで好きだけど『鎖に縛られてるように思ってしまうこともあるんだ。』

彼女が就職してほどなくして別れてしまった僕たち。

僕も自分で自分の食い扶持を稼ぐようになっていた。
大学時代に後輩の女の子に先輩が社会人として働いている姿が想像できないって言われていた僕。何をもってそう思ったかは良くは分からないが、自分自身でも社会人として自分が働いた対価を人様からいただく姿なんて考えてみたこともなかった。その一方で親からの仕送りによって(一部は自分のバイトと奨学金ではあったが)やっと生きることができている自分から開放されたいという気持ちもあった。
結局親の庇護から解放されたい気持ちが勝って人並みに就職することになる。

僕の時代は学生の売り手市場。
理工学部であった僕らは既に就職している先輩がリクルーターとして大学にやって来て、一杯飲みに行こうって誘ってくれて、そこでその会社についての状況を聞いて、会社見学会に参加して、気に入れば大学の推薦がもらええて、30分の面接をしてはい決まりってな感じ。全然就職活動したって感じではない。僕が入った会社はリクルーターとして来てくれた先輩がクールでかっこよかったってのと、会社自体も何となくかっこいい感じがしたという理由だけで決めてしまったところだ。会社の将来性とか自分の適性とか真面目に考えもしなかった。

何とか自力で生活できるようになり、新しい彼女もできたりもした。
でも、彼女ができ休日毎に会ってそれはそれで楽しいのだけれど自分だけの時間がなくなってしまった気がした。大学生の時は毎日が日曜日みたいなもので多くの日々を彼女と遊んではいても自分だけの時間もたっぷりあった。別に勉強をするわけでもなく何か趣味があったわけでもなかった。古本屋で買った一冊十円の吉行淳之介を読んで女の人を抱くのはバイオリンを弾くようにしなければいけないのか(題名は忘れてしまった。情けない。)なんて妄想してたり、人から聞きかじりの黒人さんの音楽を聴いたり(ディスコが流行っていた時代でした)していただけだったのだが、だれにも注目されず指示も受けない、意見も言われない自分だけのだらしのない時間。それが充分に取れなくなってしまったのだ。

こうなると楽しいはずの彼女との時間も鎖に繋がれているのと一緒に感じられるようになる。

『君はすてきで好きだけど、その唇をみればキスしたくなるけど、鎖から解き放たれたいと思ってしまうこともあるんだ。』

結婚をした今でもそれは変わらない。
ただ、自分だけの時間が欲しいのは夫婦お互い様のことで、お互いそれを理解するようになって、相手の自由時間を尊重しつつ自分の自由時間も作れるようになっていくのだ。そうして夫婦関係は何とか続いていく。

(この曲はビートルズが作った曲ではありません。)

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