with the beatlele: 09.09. Penny Lane (141 P/B 20/213)

2009/06/01

09.09. Penny Lane (141 P/B 20/213)

『ペニー・レインの床屋さんが次の客の髭を剃る。そして消防士さんが慌てて入って来る。外はどしゃぶり。』


今日、床屋さんに行ってきた。
妻がSEX AND THE CITYを見始めたからだ。(基本は女の本音をぶちまけるストーリー。男でも見られる部分もあるが、多くは見たくないし、なんとなく不愉快になる部分もある。こういうのを見て感化されて本来の自分を見失ってしまう方々がいないことを祈る。)

僕が行っているのは床屋さん。店の前に赤青白のトリコロールのクルクル回るやつが出ている。理容師がいるから刃物が使える。調髪だけでなく髭も剃ってくれる。

過去には美容室にも行っていたことはあるが、髪型にこだわりもないし、指名もしないし、美容室のカットの値段も僕のこだわりのなさには高すぎると感じていた。
とはいえ15分1000円ってもの機械的だし、洗髪もなさそうだしいやだった。

そんな時、僕が住んでいる街の商店街を歩いていると、シャンプーと髭剃りまでついて2000円という床屋さんを発見。客も入っているようで、大きな問題はなさそうだった。 それがその後通っている床屋さんだ。

でも、通うようになった理由は値段や髭剃りではなかった。

そこの理容師さんは若者が5人位。(経営者は別途いるのかも知れない。)でもその5人の内2人か3人が耳に障碍があるようなのだ。だから客の要望は最初に聞くことがでる人が聞いて手話で伝える。でもそれ以降は問題なし。お客さんが入ってくれば『いらっしゃませ』、一通り終われば『ありがとうございました』と言う。実際にははっきり聞き取れないのだがタイミングがそのタイミングだし、リズムやアクセントやおおまかな母音もそうだからそうだと分かる。 (聞こえないのにここまでできるとは、聞こえているのにbeat-leleな僕は何なんだ。)
そういう人達からは同情すんなとか言われそうだが、その一所懸命な姿に感動する。彼らのような個性の人達だってなんら問題ない。手話ができる若者もえらい。
って感動して通うようになったのだ。

僕は子供の頃の床屋さんをよく覚えている。
母の実家近くにあった床屋さんだったのでそんなに通ってはいないのだが外観をよく覚えている。『バーバー・ヨシダ』。木造でグレイッシュな淡いブルーで木枠の窓はところどころステンド・グラスのようになっていた。僕が子供の時点で既に何十年もそこにあったような感じの床屋さんだった。シャキシャキとはさみの、ジージーとバリカンの音。調髪するわけでもないオヤジさんが集まって話をしていてサロンのようになっていた。

『ペニー・レインの床屋さんが次の客の髭を剃る。そして消防士さんが慌てて入って来る。外はどしゃぶり。』

髭剃りも終わり完了。『ありがとうございました』の言葉。その時、他のお客さんが入ってきて『いらっしゃいませ』。もしかしたら消防士さんかも。(髪は思ったより短くなって本当にバートみたいだ。)

あーーっ。外は本当にどしゃぶり。来た時は曇りだったが、さー帰ろうとしたらこれか。

せっかくセットしてくれた髪を、体全部をびしょぬれにしながら、僕の耳に、僕の目に残る床屋さんを思い出しながら、何となくニヤッとしつつ自宅に向かった。


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